CINEMA BABY

ベイビーみたいに欲望の赴くまま毎日を真面目に楽しんで過ごすのよ、映画を見ながらね。

【大人の視点で楽しむ「まんが日本昔ばなし」】『くわず女房』

こんにちは、アナイスです。子供の頃にドハマりしていた「まんが日本昔ばなし」が大人になってから観ると、こんな風に面白い!そんな事をただ、つらつら書き連ねていく“大人の視点で楽しむ「まんが日本昔ばなし」”。今回は『くわず女房』を紹介します。

『くわず女房』

f:id:cinemababyanais:20170710225512p:plainジャンル:ソフトホラー

 

この話の主人公である炭焼きの男は、めちゃくちゃケチで良い歳こいても嫁も貰わずに、せっせと米を貯蔵するようなタイプ。現代でいう、独身貴族です。別に結婚願望がないというわけではないんですけど、彼が結婚する相手に求める条件が「飯を食わない嫁」なんですよ。いや、どんだけケチなんだよ。

 

しかし、そんな彼の元にある日突然、一晩泊めてくれと女が訪れます。しかも、自己紹介が「私、飯を食わない女です」ときたものだから、最高に怪しい。これ、会う事前に相手のSNS徹底的に調べ上げて、相手のタイプ通りに演じてくる女の常套手段ですよ。炭焼きの男も「マジでか」なんて驚きます。「はい、生まれてこの方一度も飯なんぞ食べておりません」なんて事を女は続けて言います。もうこれ、完全に人間の言う台詞じゃありませんよね

しかも、この女頼んでもいない家事をしながら、その後家に居座り続けてるんです。そんな女に炭焼きの男は「マジタイプっす、結婚してください」なんて言って、彼女を嫁に貰います。いや、アホか!生まれてこのかた一度もご飯食べていないって、どうやって生命力意地しているんだよ!

つまりこれ、炭焼きの男はガリガリ好きなんですよ。ご飯食べない、なんて言うなれば拒食症。この女もさぞ細かった事でしょう。しかしこの話し、そんなガリガリ好き男子にとって、痛ーいしっぺ返しが待ち構えています。

 

さて、炭焼きの男はある日気がつくのです。自分がせっせと貯めていた米が減っている事に。おかしいなと思ったので、男は働きに行くフリをしてこっそり家の屋根裏に隠れて嫁の様子を伺っていました。すると、どうでしょう。嫁、やっぱご飯食べていたんですよ!ほらね!「私ダイエットしてて〜」ってサラダしか人前で食べてない女は、絶対影でお菓子食べたりジャンク食べたり、チートしているもんですわ。

しかも、この女食べているって言っても、頭部にある第二の口らしき部分におむすびを入れるという、見るからに食事の仕方が化け物。これにカンカンになった炭焼きの男は、「飯食わないって言ったから嫁にしたのに!てめー、俺の飯をよくも!離婚だ、出て行け!」とキレます(ツッコミ所そこかよ)。

すると嫁は、「わかりました…‥実家に帰るので大きな桶を用意してください……」と頼むんですね。一応寝たし、少しの期間でも嫁だったし、なんて情けで彼もそれを用意します。しかし、嫁は途端にになって彼を縛り上げます!桶は、彼を入れるためのもので、実家への手土産(食品)にするつもりだったんですよ!

さて、縛り上げられて山道まで運ばれる炭焼き男。ものすごい雨が振ってきます。自分が入れられている桶も浸水してきます。なんとか、桶から転がり落ちる事に成功。桶の中には雨水が溜まっていて重みが変わらないので、鬼嫁(笑)はすぐに彼が逃げた事に気がつきませんでした。

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早速逃げ出す炭焼き男でしたが、鬼嫁もさすがに気がついて追ってきます。彼は菖蒲(しょうぶ・アヤメ)が沢山生えている所に身を隠していたんですけど、見つかっちゃう。もうダメだ!って時に、鬼嫁が菖蒲の匂いに苦しむんですね。それを見た彼が、菖蒲の葉を投げたら、それが剣になって鬼嫁を刺すんです!参った鬼嫁は逃げ出し、男の命は無事助かります。そして、こう言うのです、「飯食わない女は嫁にするもんじゃないな」と。

その後、彼はあからさまにふっくらしている嫁をもらって子供を作り、飯をケチらなくなったという話しでした。

昔から「結婚するならふくよかな体型の方が良い」なんてたまに聞きますが、それは子供を産める身体、赤ん坊を育てられる身体という意味合いが込められています。ガリガリな女性が好みでも、結婚するならやっぱ体型はちょっと丸い女の方が良い。そんな文句の発祥となるストーリーなのではないでしょうか?

 

では今日はこの辺で! ANAIS